【もう10年…】ドラえもんがいなくなった世界でのび太は社会人として懸命に働いていた・・・

もう見慣れた天井。相変わらず染みだらけだ。スーツもずっと着続けているからか、ところどころ色落ちしている。

「………」

――ふと、部屋の片隅にある事務机に目をやった。

机の上には仕事のために買ったノートパソコンと、仕事で使う資料が置かれている。マンガはない。

布団から立ち上がり、机に歩み寄る。そして、しばらく机を見つめた後、静かに引き出しを開けてみた。

――当然だけど、引き出しの中には、何もなかった。

次の休みの日、久しぶりに、僕らは集まった。

「――ホント、久しぶりだな!!」

ジャイアンは、相変わらず豪快に笑う。

彼は今、企業の社長をしている。高校を卒業した後、彼は一度就職した。だが、そこはかなりのブラック企業だったらしく、部下を何とも思わない心無い上司に激怒し、半ばケンカ別れのように辞職した。そして、自分で会社を立ち上げたんだ。

会社は好調のようだ。それは偏に、彼の人柄のおかげだろう。部下を大切にし、得意先に社長自ら赴き交渉する。引く時には引き、行くときには行く。彼のいい部分が、全面的に作用しているようだ。

「ジャイアン、相変わらず声が大きいなぁ……」

スネ夫は苦笑いをしながら、ビールをちびちび飲んでいた。

彼は今、デザイナーを目指している。なんでも、その道で有名な人に頼み込んで、弟子入りをしたとか。

彼は父親の会社を継がなかった。両親とはかなり口論となったようだが、父の会社を振り切り、自らの道を切り開いたんだ。今では、両親も彼を応援している。だが彼は、両親の支援を一切受けていない。『夢は自分の力だけで叶えたい』……それが、彼の言葉だった。

次に続く

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