損賠訴訟「髪染め強要で不登校」高3、大阪府を提訴
「頭髪生まれつき茶色」
頭髪が生まれつき茶色いのに、学校から黒く染めるよう強要され精神的苦痛を受けたとして、
大阪府羽曳野市の府立懐風館(かいふうかん)高校3年の女子生徒(18)が
約220万円の損害賠償を府に求める訴えを大阪地裁に起こした。
27日に第1回口頭弁論があり、府側は請求棄却を求めた。
生徒は昨年9月から不登校になっており、「指導の名の下に行われたいじめだ」と訴えている。
訴状などによると、生徒は2015年4月に入学。
中学時代に黒染めを強要されて嫌な思いをしたため、
母親は「高校では同じことがないよう配慮してほしい」 と伝えていた。
しかし、学校側は生徒の入学後、1、2週間ごとに黒染めを指導し、2年の2学期からは4日ごとに指導。
度重なる染色で生徒の頭皮はかぶれ、髪はぼろぼろになった。
教諭から「母子家庭だから茶髪にしているのか」と中傷されたり、指導の際に過呼吸で倒れ、
救急車で運ばれたりしたこともあった。
文化祭や修学旅行には茶髪を理由に参加させてもらえなかった。
生徒は昨年9月、教諭から「黒染めしないなら学校に来る必要はない」と言われ、
それ以降は登校していない。高校は今年4月、生徒の名前を名簿から削除。
他の生徒や保護者には、退学したと虚偽の説明をしたという。
学校側は生徒の代理人弁護士に「たとえ金髪の外国人留学生でも規則で黒染めさせることになる」と説明している。
府教委高等学校課と同校は取材に、「係争中なので答えられない」と話している。【遠藤浩二】
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